プロジェクトの概要
2025年は大阪で2度目の万博が環境や産業をテーマに行われ、世界中から人々が訪れる。
今回の企画では、羊の生き物として魅力的な姿だけでなく、産業や歴史・文化について掘り下げていく。
古代からの生活で衣と食を考えた時、もっとも相応しいものが羊だと考えた。
羊と人の歴史は古く、メソポタミア文明まで遡る。
古代文化で、すでに食料だけでなく羊毛として重宝されていた。
食肉だけでなくチーズやヨーグルトとしても使われ、毛は毛布や衣料に使われ、日本人にも馴染みのある動物である。
羊と日本との関わりは奈良時代頃の書物に、曖昧だが記録として残っている。
その頃の日本の衣類は麻など植物繊維のものが主流だった為、実際に羊だったのかは定かではない。
(この頃は山羊も羊として表記されている)
仏教の必需品として、大陸から羊毛を輸入していたが一部の人が使用していただけである。
江戸時代に入ると長崎藩で羊の飼育を試されていたようだが、失敗に終わる。
気候の問題もあるだろうが、その頃の技術では日本に馴染めなかったようだ。
毛織物(ウール)産業が日本で始まったのは明治に入ってからであり、羊毛から作られる高級服地の毛織物は
大正、昭和に掛け、日本にとって大切な産業へと成長していき、今も国内で生産され続けている。
日本では1990年代後半に食料としても見直され、ジンギスカン等ヘルシーな食べ物として現在も人気食材になっている。
羊を通して、人に関わる生き物の、命と産業を表現する。
プロジェクト
立ち上げメンバー
小森 正孝 (Masataka KOMORI)
写真家
愛知県一宮市出身 1976年生まれ
大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業
大阪の印刷会社勤務後、フリーランスとなる
主な作品は、猫写真を中心に撮影。
雑誌、写真集、カレンダーなどに起用される
アフロ作家
末松グニエ 文 (Aya SUEMATSU GUENIER)
写真家
愛知県一宮市出身 1975年生まれ
大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業
営業写真館勤務後、フリーランスとなる
2007-08英国滞在
主な作品は、地元地場産業である繊維産業をドキュメントし続けている